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住宅ローンを借りる時は、返済期間を30~35年と長い期間で組んでいる人が多いと思います。
30歳の人が35年のローンを組むと、返済が終わるのが65歳、35歳の人なら70歳での完済となります。

現在、定年退職の平均年齢が60歳だと言われており、55歳前後での早期退職者もかなりの数になります。
となると定年・早期退職どちらも退職後10年以上も住宅ローンの支払いが続くことになり
充分な退職金を貰えればよいですが、そうでない場合収入源が年金のみだと、ローンの支払いはかなりの負担です。

収入に余裕のあるうちに繰上返済をすると、老後の負担を減らすことができますし
住宅ローンの支払総額を減らすこともできます。

繰上返済とは、契約時に決められた月々の返済の他に、ある程度まとまった金額を返済に充てることを言います。

繰上返済の種類と効果

繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類の返済方法があります。

「期間短縮型」とは、まとまった金額を繰り上げ返済に充てた後も、月々の返済額は変わりませんが
その分の返済期間が短縮されるため、短縮された期間の利息が軽減されます。

「返済額軽減型」とは、繰上返済後も返済期間の変更はなく、代わりに月々の返済額を引き下げることができます。

繰上返済例

借入金2,500万円 ボーナス払いなし、金利3%、返済期間30年の住宅ローンを借りていたとして
10年目で繰り上げ返済をしたとします。

期間短縮型を利用した場合、返済期間は1年11ヶ月短縮が出来、利息も140万円節約することが可能です。

返済額軽減型を利用した場合は、毎月の返済額を4,200円減らし、利息を52万円節約することが可能です。

上記のように利息軽減効果は期間短縮型の方が大きくなりますが、期間短縮型の場合は、月々の実質的な返済額を
減らすことが出来る為、家計を安定させる効果があります。

ローンの支払総額を考えた場合、利息の軽減率が高い期間短縮型の方が有利になる可能性が高く、利用者も多いですが
それぞれのライフステージに合わせて、どちらを利用するか選択すると良いでしょう。

繰上返済の効果的なタイミング

結論から言ってしまうと、繰り上げ返済を行うのであれば
「1日でも早く、1円でも多く」が効果を上げる秘訣です。

利息の設定は借入金額と返済期間で決定されますので、早い時期により多くの元本を減らすことで
支払う利息を減らすことができます。

ただし、繰り上げ返済は、100万円単位から等の制限があるところと、いくらからでも出来るところがあり
手数料がかかるところもあります。
私が住宅ローンを借りているところは、200万円以上からとの制限があり、返済するのにも手数料がかかります。
ネット銀行等では繰り上げ返済の手数料がかからないところが多いようです。

生活費を節約してコツコツ貯めたお金の総てを、繰り上げ返済に充ててしまうと
急な出費などがあった時に、子供の教育資金の準備が出来なくなってしまう可能性もあります。
ましてや、生活費に事欠くような事態は避けなければなりませんので、必要な資金は残しながら
余剰資金が出来た時に、計画的に賢く返済すると良いでしょう。

繰上返済のデメリット

繰上返済の最大のデメリットは以下の2つです。

1.手元資金がなくなり、生活に余裕がなくなる。
2.返済期間の短縮で、住宅ローン控除に影響する。

繰上返済に余剰資金の総てを当ててしまうと、急な出費に対応できなくなったり
返済によって預貯金が目減りしたことで、繰り上げ返済貧乏に陥ってしまう可能性があります。

また住宅ローンの支払い期間が120カ月以下に短縮されると、住宅ローン控除で受けられるメリットの総てを
受けることが出来なくなり、税金の支払いが生活を圧迫する可能性があります。

住宅ローンも借金ですから、一刻も早く終わらせたいと思うのは人情ですが
宝くじが当たって一獲千金でもなければ、2000~3000万円、もしかしたらそれ以上のローンを
5年や10年で完済することは困難です。

長期的な目で見れば、繰り上げ返済で減らすことの出来る利息よりも、住宅ローン控除で受けられるメリットの方が
有利な場合もあります。
借入金額が1,000万円以内の場合は、無理をして繰り上げ返済をするよりも、控除を受けながら
コツコツ返済した方が有利ではないでしょうか。

また無理な繰り上げ返済で、自己資金を減らすより、月々の安定した返済金額で計画的に
余剰資金を作った方が、突然の出費にも対応可能ですし、老後の資金を用意出来る可能性もあります。